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専門分野の回答から学びと仕事の関係を読む

内閣府が公開している人材に関する調査データには、専門分野を選ぶ回答が含まれています。何を学んできたか。現在の業務はどんな分野と関係が深いか。学ぶ機会があれば何を学びたいか。私たちは、このような問いを通して、学びと仕事のつながりを眺められることに関心を持ちました。

六芸社の専門分野ネットワークは、そのうち「出身の専門分野」と「現在の業務に関係が深い専門分野」を結んだものです。この記事では、図の点と線が何を表すのか、その前提となる調査と、私たちが行った整理を説明します。

調査が尋ねている四つの関係

2025年の質問には、主に次の四つの観点があります。以下は質問文の要約です。

観点尋ねていること
出身最終学歴の研究室などで扱った、または最も力を入れた専門分野を一つ
業務との関係現在の業務に関係が深い専門分野を三つまで
事業の展開自分が関わる事業の新たな展開や成長に向けて、重要になってくる分野を三つまで
学習希望仮に今、学ぶ機会が与えられたら学びたい分野を二つまで

それぞれの問いは、異なる関係を尋ねています。出身は単なる学部名ではありません。業務との関係は、重要度や習熟度そのものではありません。また、事業についての回答は回答者自身の認識であり、企業全体の公式な判断ではありません。

選択肢には、日本文学、会計・簿記、感染症学など、幅広い領域の名前が並びます。2025年の一覧では、「その他」を含めて299項目あります。具体的な分野名を持つ項目は298で、「ない」などの回答区分は設問に応じて別に設けられています。一つの選択肢に複数の領域がまとめられている場合もあるため、299個の独立した学問が同じ細かさで並んでいるわけではありません。

高校の教科と科目から専門分野を眺める

私たちはまず、この一覧を日本の高校の教科・科目を手掛かりに並べ直してみました。教科は理科や商業のような大きなまとまり、科目はその中の物理や簿記などです。普通科で親しむ教科に加えて、農業、工業、商業、看護、福祉など、専門学科で学ぶ領域も含めました。

例えば、日本文学には国語から、統計学やデータサイエンスには数学から、感染症学には保健体育から近づく入口を設けています。会計・簿記には、商業の簿記という入口があります。これらは、専門分野の全内容が高校の授業に含まれるという対応ではありません。読者が知っている学びから、その先に広がる知識へ進むための対応です。

最初の整理では、299項目のうち209項目に、高校の科目から説明しやすい接点を置きました。そのうち109項目は共通教科、100項目は専門教科からたどれます。この対応は六芸社の編集案であり、調査主体や学校教育の公式な分類ではありません。特定の教科書の本文を一冊ずつ照合した結果でもありません。

科目の枠に収まらない分野にも入口をつくる

高校の科目へ素直に対応させにくい項目については、知識の対象や方法に注目しました。88項目に、次の六つの入口を設けています。

入口置いた分野の例
分野の接点をつくるシステム工学、量子情報理論・量子計算理論
数理・計算で捉える自然言語処理、計量経済学・経済統計
対象や課題から組み立てる航空宇宙工学、サービス工学
人・社会・文化を読み解く社会心理学、医療社会学
学びと教育を考える教育学・行政、学校経営学、教育社会学
生命・病気・医療を探究する専門的な生命科学・医学の諸分野

表では読みやすさのため、分野名の補足を一部省略しています。残る二項目は、入口を引き続き検討する「製図・デザイン実習」と、内容を特定できない「その他」です。元の項目はすべて保持しています。

これらの入口に、知識の上下関係はありません。高校の科目に接点を置いた分野にも、専門研究や分野横断の展開があります。どこからならその知識を捉えやすいかを考え、入口を複数の見方から用意したのです。

回答をネットワークとして表す

ネットワーク図では、こうして整理した項目を、大きな分類へ合算せず、元の分野ごとの点として表示します。一人の回答について、出身として選んだ一分野から、業務に関係が深いとして選んだ最大三分野へ線を引き、同じ組合せの人数を重ねます。線一本の人数は実人数ですが、一人が複数の線に現れるため、線の人数を足すと延べ件数になります。

現在の図には、2014年と2025年を収録しています。出身と業務の両方に回答がある対象者は、それぞれ42,339人と64,544人です。これは各年の調査回答者全員や、日本の就業者全体を示す人数ではありません。

年次による選択肢の違いは、2025年を基準に対応付けました。ただし、以前の広い区分を、後の細かい区分へ推測で分配することはしていません。そのまま残した旧区分12個と、2025年の具体名のある298項目を合わせ、共通の310点を置いています。その年に独立した選択肢がない点は白抜きで示します。

点の配置も六芸社の整理を含みます。高校の教科などを手掛かりに、「言葉・文化・社会」「数理・情報」「自然・物質・技術」「生命・健康・暮らし」の四方向へ緩やかに寄せ、分野間のつながりも使って配置しました。位置は年や男女を切り替えても固定します。点の距離は、知識の類似度や分野の価値を測った値ではありません。

この図から読めるのは、回答者が選んだ学びと現在の業務との関係です。その間の職歴や、知識を身に付けた過程までは記録されていません。また、線の濃淡には共通の実人数尺度を使い、年や男女による回答者数・構成の違いを調整していません。この前提を共有したうえで、どんなつながりが見えるかを一緒に眺めたいと考えています。

出典:内閣府 e-CSTI 人材に関する分析・公開データ。整理・加工:合資会社六芸社。

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2025年の選択肢と六芸社が保持した旧区分を、日本語・英語の一覧で確認する

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