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「知識と仕事」— リサーチの見取り図

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「知識と仕事」に取り組むにあたって、現時点で考えていることを整理します。問題意識、先行研究、可視化で感じたこと、今後考えたいことの四つに沿って、リサーチの見取り図を示します。

問題意識

このリサーチの出発点には、二つの問題意識があります。

一つは、学んだ分野と仕事で重要な分野について、それぞれの回答者数の違いをどう読むかという疑問です。例えば、ある分野を学んだ人は多いのに、仕事でその分野が重要だと答えた人は少ない。この人数の差を、知識の供給と需要のミスマッチとして捉えるとき、何が見えていて、何が見えていないのでしょうか。

ある専門分野を学ぶことは、隣接する分野の理解や、そこで知識を活かすことにもつながる可能性があります。また、個人が仕事で重要だと答えた知識を、その人の業種や職種、さらには産業界や労働市場で求められる知識として一般化してよいのかも、考える必要があります。これまでの調査や議論を否定したいのではなく、質問の限界を踏まえながら、人数の差だけでは見えない関係にも目を向けたいという気持ちがありました。

もう一つは、学ぶことと将来の仕事をまっすぐに結びつける見方に、以前から感じていた居心地の悪さです。魚について熱心に調べている子どもに、「将来は魚の研究者になるの?」と尋ねる。その問いの背後には、学んだことを直接活かせる仕事に就くのが望ましい、という見方があるように感じます。また、高校生が大学に進学する際に、将来の仕事を考えて進学先を選ぶよう指導することも一般的だと聞きます。

将来の仕事を見据え、そこに至る通過点として学びを捉える。それは、唯一の当然の道なのでしょうか。

先行研究

先行研究については、これから慎重に、体系的に調べていきます。学んだ分野と仕事の関係を直接扱う研究に加え、大学への公的投資が卒業生のその後の活動にどうつながっているのかを問う研究も、この問題意識に関わると考えています。

可視化で感じたこと

可視化を見てまず印象に残ったのは、どの分野を学んだ人の回答にも、仕事で重要な知識として挙げる分野に広がりが見られたことです。学んだ専門分野以外の知識も大事だと考えながら仕事をしている。その様子に、「やはり世の中はこうなっているのだ」という安堵を感じました。

知識と仕事 — 全体の広がりを見る

一方、学んだ分野と仕事で重要な分野が重なる、図の対角線上にもピークが見られます。学んだ分野を仕事でも重要だと考えている人が一定数いるということです。仮に、こうした重なりにある人々が仕事においても活躍しているとすれば、その姿が、学びと仕事のつながりを説明する分かりやすいモデルとして定着したのかもしれません。

いずれにしても、図の対角線上はもちろん、その周囲に広がる関係にも目を向けたいと思います。

今後考えたいこと

今後考えたいのは、知識を通して仕事を見ることの可能性です。

業種、職種、出身分野は、それぞれ異なる分類です。組合せごとに人数を数えても、その結果を読み解くには、異なる分類の間にどのような関係があるのかを考える必要があります。今回の可視化では、縦軸と横軸に共通の知識分野の分類を使っています。それによって、学びと仕事の関係を、もう少し見通しよく議論できるのではないかと感じています。

仕事の多様さを捉えるために、分類や記述の工夫が重ねられています。その中で、業種や職種の分類からいったん離れ、「その仕事では、どの知識が重要なのか」と問い直す。そこから何が見え、何が見えないのかを確かめていきたいと思っています。

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