調査の区分を、英語で伝える
日本には、産業や職業を捉えるための公的な分類があります。統計に用いられる日本標準産業分類・日本標準職業分類や、職業紹介などに用いられる厚生労働省編職業分類です。分類には、それぞれの目的に応じた区分の仕方があります。
六芸社の基本ビューアーで扱っている、内閣府の人材マッチング調査の業種・職種は、これらの公的分類をそのまま用いたものではなく、調査独自の区分です。英語版では、まず、この区分が何を含むのかをできるだけ保ちながら、英語で伝えることを目指しています。調査の概要と公開データについては、内閣府の説明をご覧ください。
例えば、職種の「大学等研究機関所属の教員・研究者」は、大学教員だけに限った区分ではありません。今回の案では、Academic staff and researchers at universities and other research institutions としました。教員と研究者の双方を含むこと、所属先が大学以外にも及ぶことを、訳の中に残しています。
学歴にも同じ配慮が必要です。「国立」と「公立」は別の選択肢なので、national と local public を分けて表す案にしています。学校種や設置主体の用語はNIC-Japanの制度説明などを参照しつつ、今回の区分に合うかを確かめます。短い名前だけでは範囲が伝わりにくい場合には、補足を添え、日本語の原名に戻れるようにします。
国際比較では、英語名が同じでも、その区分に含まれる人や仕事の範囲が一致するとは限りません。時系列の比較でも、名称だけでなく、各時点の区分や設問の変化を確かめる必要があります。今回の作業は2025年調査の区分を英語で読めるようにするもので、他国の分類や過年度の区分との対応を確定するところまでは含んでいません。
現時点の英語表記は、六芸社による暫定訳です。この日英対照を継続して育てることを、六芸社の仕事の一つと位置づけています。国際比較研究や公的資料で用いられる分類・英語表記を参照し、研究者や実務家との対話を通じて、区分の範囲や制度上の意味を確かめ、訳語と説明を磨いていきます。まず具体的な対照を示すことで、個々の訳について議論できる出発点をつくりたいと考えています。英語表記は内閣府の公式英訳ではありません。
日本の教育と仕事の関係を、自分の問いから眺めてみる。そこで気になった区分を、原語や調査資料に戻って読み直す。英語版でも、その行き来を支える道具にしたいと考えています。
関連リンク
- 文部科学省:日本の教育制度の概説(英語) — 「Principles Guide Japan’s Educational System」から始まり、教育の原則・法的基盤、学校体系と各学校種を説明しています。日本の教育区分を制度の中で理解するための入口です。
- NIC-Japan:日本の高等教育機関の種類(英語) — 高等教育機関の種類と設置主体など、学校種の名称を読む際の制度的背景を確認できます。
- 内閣府:人材に関する調査とオープンデータ — 基本ビューアーが扱う調査の概要と、公開データの入手先です。
- e-Stat:日本標準産業分類・日本標準職業分類など — 日本の公的統計で用いられる分類と、その区分を確認できます。
- 厚生労働省編職業分類 — 職業紹介などに用いられる職業分類の案内です。