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Tableauのトラブルシューティング 03:「開けるのに、直せない」を防ぐ発注・納品・検収

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Tableauの制作では、発注する側が完成後の使い方を伝え、制作する側がそれに応じたものを納め、受け取る側が約束した内容を確認する。この発注・納品・検収が噛み合っていることが大切だと、私たちは考えています。

発注側の要求が、予算や期間に見合わないほど膨らんでは、制作する側も応えられません。一方、完成した画面だけが渡され、その後の修正や更新に必要なものが足りなくても、受け取るときには気づきにくいことがあります。完成後にどんな作業をするのかを双方で見通し、何を納め、何を確かめるかを合わせておく必要があります。

長く使う間に、どんな変更が起きるか

六芸社の岩崎は、2019年から2020年にかけて内閣府フェローとしてe-CSTIの開発に関わり、可視化ツールなどを発注する側の仕事に携わりました。2020年4月からは政策研究大学院大学で「可視化統括」として、内閣府から委託されたe-CSTIの運用管理全般を担当しました。自分たちが可視化ツールを内閣府へ納めると同時に、他の協力会社が制作したツールを受け取り、サイトへ実装する立場でもありました。

運用の仕事では、受け取ったツールをそのまま公開して終わり、とはいきませんでした。公開に至るまで制作担当者と何度も修正のやり取りをすることがあり、公開後も、使い続けるための変更が生じました。

同じ「変更」でも、大きく分けると次の3つが考えられます。

  • 公開前の表示調整:開発環境と実際に使う環境の違いによって生じる、文字の大きさや意図しない改行などを整える作業です。
  • 公開後の不具合修正・機能改善:今使っているツールの操作上の不具合やデータの誤りを直したり、機能を改善したりする作業です。
  • 新年度データへの更新:次の調査や事業年度のデータを取り込み、可視化を更新する作業です。項目や分類が変われば、データの加工方法も見直します。

必要になる材料は、変更の内容によって違います。画面の微調整ならワークブックの編集で済むこともありますが、データの訂正や年度更新では、元のデータや、それを加工した手順まで戻る必要が出てきます。

実際に、更新しようとして初めて必要な元データが手元にないと分かり、当時の制作担当者に問い合わせたこともありました。画面は開けるのに、その先へ進めない。この問題は、第2回「開けるのに、直せない」で紹介しました。

こうした経験から、制作時には、その場の表示を整えるだけでなく、後のデータ更新まで見通して作ることが大切だと考えるようになりました。元のデータから画面に至るまでの材料と手順を残し、次に作業する人へ渡せるようにしておく。それが、六芸社の納品セットの出発点です。

六芸社では、5つのフォルダーにまとめてお渡ししています

六芸社では、Tableauの制作・修正にあたり、次の構成を基本に、必要なものをまとめてお渡ししています。データを受け取り、加工し、可視化する流れに沿った5つのフォルダーです。

フォルダーお渡しするものと、その役割
01 支給原本お預かりした元のデータを、変更せずに保存します。数字に疑問が生じたとき、確認の起点になります。
02 加工用データ制作に使える形に整えたデータと、名称や分類を対応付ける表などを収めます。新しいデータを加えるときも、ここから準備します。
03 加工処理データの加工に使うTableau Prepの処理フローやPythonのコードと、その出力を収めます。処理の流れを確認し、更新時にやり直すためのものです。
04 Tableau可視化のワークブックと、そこへ読み込ませるデータを収めます。表示の確認や画面の編集に使います。
05 変更・検証記録何を変更したか、どこまで確認し、どんな結果だったかを残します。受け取る側が、修正内容や確認範囲を把握するためのものです。

これらをどう使うかは、案内文書のREADMEで説明します。最初に何を開けばよいか、入力したデータがどの処理を通って画面に届くのか、更新するときには何をどの順番で行うのか。ファイルの一覧だけでなく、一式の使い方が分かるようにします。

検収では、こちらの検証結果をお伝えするとともに、この一式を使って、受け取った側が予定している作業を行えるかを確認します。年度更新を行う予定なら、受け取る側の環境で更新できるかを一緒に確かめます。

こうしてデータと処理、説明を揃えておくと、AIを使った点検にも役立ちます。六芸社では、この一式をもとに、CodexやClaude Codeなどを使って、手順に沿って正しく更新できるかを点検する作業も実施できることを確認しています。ただし、これは対象のデータを、こうしたクラウド型のLLMを利用するサービスに渡してよい場合に限ります。

私たちは、完成したTableauツールとともに、次に手を入れるための材料と手順をお渡ししたいと考えています。使い続けるうちに生まれる修正や更新に、受け取った人が取り組めること。そのための基本として、この5つのフォルダーを用意しています。

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