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先輩たちの進学と暮らしをたどる

内閣府が公開している人材に関する調査データには、都道府県を選ぶ回答が含まれています。出身高校はどこにあるか。最終学歴の教育機関はどこにあるか。現在はどこで暮らし、どこで働いているか。私たちは、このような問いを通して、進学や就職に伴う移動と、その後の暮らしのつながりを眺められることに関心を持ちました。

六芸社の地域移動ネットワークは、そのうち高校の所在地、大学・大学院の所在地、調査時点の居住地の三か所を結んだものです。先輩たちは、どこで学び、今どこで暮らしているのでしょうか。特に、これから大学への進学を考える高校生に、自分の進路と重ねながら使ってほしいと考えています。

図の対象は、最終学歴が大学・大学院で、三か所とも国内の都道府県が分かる回答者です。大学・大学院の点は最終学歴の教育機関を表すので、大学院を修了した人の場合、学部時代に通った大学の場所とは限りません。今回は就労地を結んでいないため、図でたどるのは就職先そのものではなく、学んだ場所と現在暮らしている場所の関係です。

同じデータを、二つの配置で見ることができます。「つながり配置」は、点どうしのつながりをもとに並べた図です。「三層配置」は、上から高校、大学・大学院、現住地を並べ、同じ都道府県の位置を上下にそろえた図です。三層配置では図を回転でき、線を表示する最小人数も選べます。以下の操作説明は、つながり配置を対象にしています。

つながり配置で見る / 三層配置で見る

まず、自分の高校がある都道府県から見てみる

初めて開いたときは、2025年の男女・年齢全体について、すべての都道府県のつながりを表示します。青い丸が高校、黄色の四角が大学・大学院、赤い三角が現在の居住地です。同じ都道府県でも三つの役割があるので、それぞれ別の点になっています。青い線は高校から大学・大学院へ、黄色の線は大学・大学院から現在の居住地へつながります。

あなたが高校生なら、まず、自分の高校がある都道府県を選んでみてください。図のすぐ上にある「出身高校の都道府県」から選べます。図の青い点をクリック、またはタップしても同じように選べます。

都道府県を選ぶと、その都道府県の高校を出た回答者に絞られ、青い点を中心とする図に切り替わります。同じ地域の高校を出た先輩たちは、どの都道府県へ学びに行ったのでしょうか。左側の表示設定で、描画するルートを「高校 → 大学・大学院」にすると、まず進学先に目を向けられます。

点にマウスを重ねると、都道府県名と人数、その点につながる人数の多い相手が表示されます。黄色や赤の点はタップでも確認できます。込み合って見えるところは、ホイールやピンチで拡大し、ドラッグして眺めてみてください。

進学先の候補を選び、その先の暮らしを見る

次に、「自分が進学するとしたら、ここかもしれない」と思う大学の都道府県を選んでみてください。「大学・大学院の都道府県」を指定すると、二つの都道府県の組合せを実際にたどった回答者に絞られます。画面の「現在の対象者」が、その人数です。

描画するルートを「両方」または「大学・大学院 → 現住地」にすると、その先輩たちが今どこで暮らしているかを眺められます。故郷に戻って暮らす人はいるのでしょうか。大学のあった都道府県に暮らす人が多いのでしょうか。それとも、さらに別の都道府県へつながっているのでしょうか。

例えば、2025年の男女・年齢全体で、高校を北海道、大学・大学院を青森県にすると、該当する回答者は48人です。そのうち調査時点で北海道に住んでいる人は29人、青森県に住んでいる人は1人、別の都道府県に住んでいる人は18人います。この内訳は、二つの都道府県が異なる場合、図の下にも表示されます。

現在の居住地を表す赤い三角や、大学の黄色い点に触れて、つながる先を確かめてみてください。今いちばん多くの人が暮らしているのはどこか。思いがけない都道府県へつながる線はないか。人数を知ると、その場所で暮らす先輩の姿を少し具体的に想像できます。

ここで分かるのは、調査時点の居住地です。卒業してすぐ故郷へ戻ったのか、別の地域で働いてから戻ったのかまでは分かりません。また、大学と同じ都道府県に住んでいても、途中で別の都道府県に暮らしたことがあるかもしれません。三つの場所の間には、図に描かれていない時間があります。

高校の都道府県をそのままにして、大学の都道府県だけを変えてみることもできます。同じ地域から出発しても、学ぶ場所によって、その先に見える暮らしの地域はどう違うでしょうか。進学先を考えるとき、そこで過ごす数年間に加えて、その後の暮らしにも目を向ける手掛かりになります。

時代や男女によって、つながりは違うだろうか

気になった都道府県の組合せを選んだまま、2016年と2025年を切り替えられます。この二つの年を並べたのは、約10年の間隔を置いて、進学先と現在の居住地のつながりにどのような違いがあるかを見たかったからです。地元や近くの都道府県へ向かう線、大都市へ向かう線は、どのように現れるでしょうか。

男女も切り替えられます。同じ都道府県の高校を出て、同じ都道府県の大学で学んだ人たちでも、現在の居住地のつながりに違いはあるでしょうか。大学の都道府県を「すべて」に戻せば、進学先も含めて見比べられます。

点の配置は2025年の男女・年齢全体を基準にしています。出身高校の都道府県を変えると配置が変わりますが、年や男女、年齢、大学の都道府県、描画するルートを変えても位置は動きません。同じ点を目印に、線の現れ方を見比べてください。

ただし、線の太さは回答者の実人数に基づき、年や男女による回答者数・年齢構成の違いをそろえていません。表示人数は日本全体の移動者数を推計したものでもありません。線が太くなったことを、そのまま「その移動を選ぶ人の割合が増えた」とは読めないため、画面の対象人数も合わせて確かめながら眺めてください。

39歳までと40歳以上で、暮らす場所は違うだろうか

年齢は「39歳まで」と「40歳以上」に分けて見られます。区切り方はいくつも考えられますが、今回は、大学を終えて働き始めてから、その後の働く期間を考えるための一つの目安として40歳を選びました。

例えば、25歳より前に大学を卒業し、60歳ごろに仕事の一つの区切りを迎えると仮に考えると、40歳前後はその間の折り返しに近い時期です。それまでに、暮らす場所を定めたり、故郷へ戻ったりする選択をしている人もいるでしょう。そうした選択が積み重なったとき、居住地のつながりに違いが現れるのではないかと考えました。

同じ高校と大学の都道府県を選び、年齢を切り替えてみてください。若い層ではいくつもの地域へ広がっているつながりが、40歳以上ではどう見えるでしょうか。あるいは、年齢を分けても似たつながりが見えるでしょうか。

40歳までに誰もが暮らす場所を決める、という意味ではありません。また、ここで比べているのは、各調査時点の異なる年齢層です。同じ人の若い頃とその後を追跡しているわけではないので、今39歳までの人たちが将来どう暮らすかを直接示すものではありません。年齢や世代によって暮らす場所の選び方に違いがあるかを考える入口として、この区切りを置いています。

大学や地域の側から眺めてみる

少し視点を変え、高校の都道府県を「すべて」にして、大学の都道府県だけを選ぶ使い方もあります。その都道府県の大学・大学院で学んだ人は、どの都道府県の高校から来て、今どこで暮らしているのでしょうか。大学のある地域を、人を迎える側と、その後の暮らしにつながる側の両方から眺められます。

二つの都道府県の選択をともに「すべて」に戻すと、全景に戻ります。進学とその後の居住が、いくつかの地域の間でまとまっているように見えるでしょうか。こうした地域のつながりを探ることも、この図を作った動機の一つです。

点は地図上の位置ではなく、回答者のつながりを使って配置しています。近い点の集まりは、地域同士の関係に気付く手掛かりになりますが、そのまま一つの生活圏や回遊圏が確定したことを意味するわけではありません。気になるまとまりを見つけたら、都道府県を選び、実際にどの点とどの点がつながっているかを確かめてみてください。

先輩たちの現在から、自分のこれからを考える

一本の線の向こうには、その場所を選び、今そこで暮らしている人たちがいます。その中の誰かの歩みは、自分がこれからたどる道に重なるかもしれません。

なぜ、その都道府県へ学びに行ったのでしょうか。何を学びたかったのでしょうか。地元で選べる学びが限られている人にとっては、行き先が分かることで、むしろ「そこで何を学んだのか」を知りたくなるかもしれません。

この図には、学んだ分野や、場所を選んだ理由までは表示していません。それでも、具体的なつながりが見えることで、先輩に聞いてみたいことが生まれます。そこで学んだこと、故郷へ戻った理由、今の場所で暮らすことにした理由。身近な人に話を聞いたり、自分が大切にしたいことを確かめたりするきっかけになればと思います。

都道府県を答えたデータを結ぶと、人が学ぶ場所と暮らす場所の間に、こうした問いを見つけられます。先輩たちの現在を眺めながら、自分のこれからを考える。そのための材料として、この図を使ってみてください。

出典:内閣府 e-CSTI 人材に関する分析・公開データ。整理・加工:合資会社六芸社。

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